Thursday, October 15, 2009

晩秋

















それぞれの土から 陽炎のように ふっと匂い立った旋律がある
・・・・・山や河が薫りたち 野に風は渡ってゆくでしょう

茨木のり子さん「鄙ぶりの唄」の冒頭です。土から匂い立った旋律、山や河の香り。なんとなくわかる気がします。先日用事があって東京に行き、夜遅くにこちらに帰ってきました。人混みの空気と忙しいきもちを外に吐き出すように呼吸すると、空の低い位置に大きな大きなオレンジ色の月が見え、耳を澄ませば沢山の虫の音が濃厚に空気に溶け込んでいました。黒い空に白く光る星を見ていると、星がきれいならそれでいいかと理由なく安心しました。自然の音に包まれるということ、自然の光に照らされるという当たり前の贅沢を改めて味わう帰り道でした。寒い夜には白い息が見えるようになり黒磯の町は秋が深まっています。みなさんの町の季節はいまどの辺りでしょう。町の方の黒磯店では引き続き洋梨のタルトをお楽しみ頂けます。10月の終わりには栗のタルトを予定しています。最近何においても濃度の高いことに惹かれます。いや、純度かな。


kuroiso 河野


 

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